政治家はなぜこのようなシンプルなヴィジョンを示せないのか?

成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)

成熟日本への進路 「成長論」から「分配論」へ (ちくま新書)

速読しただけだが、著者の考えは、
セーフティネットを万全なものにしたうえでの、競争社会と理解した。

全く異論はない。
文中にいくつか興味深いファクトが示されていた。
ひとつは、国民の幸福度No1になったデンマークの社会システムである。
デンマークアメリカの社会システムは正反対に思えるが、共通点がある。
おもしろいのは、共に「労働者を解雇しやすい」ということで、アメリカの場合はすんなりとイメージできるが、高福祉国家デンマークでも?という感じである。
社民党には実現できまい。民主党がこの路線を目指せるかというところである。

ふたつめは、日本が世界で最も弱者に厳しい国だというアンケート結果である。
まさかアメリカよりも上とは。


「あとがき」で著者は以下のことに注意したと言っている。

・可能な限りComprehensiveな理解と分析
・その分析を基に、SimpleかつConsistentな解決策を示す

日々の経営においても心がけたい言葉である。